完全習得学習法
「完全習得学習法」という言葉をご存知ですか?
このブログでも過去に「点数ではなく身に付けることを目指す教育」という記事で書きましたが、簡単に言うと
- 学習内容を1つ1つのステップに分解し
- それらを「習得」したら次のステップに進む
- 進むのは「時間」ではなく「習得したかどうか」
という流れで学習を進めていく方法なのですが、学校での進め方と比べるために「住宅建築」に例えて、子供達には説明しています。
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土地の測量が終わったがチェックすると「70点」
奥の方は測れておらず、計算が合わない部分があった。
しかし予定の3週間が経過しているので、次の工程(基礎工事)に進む。
基礎工事は、前回の反省からちょっと頑張って「95点」
足りなかった5点は、一部コンクリートが足りず施工できなかった。
それでもクラスで1番の点数なので、上機嫌で次の工程(1F)に進む
1Fの施工は、ちょうど部活の大会と時期が重なり「65点」
さすがに焦ったけれど、部活では地区優勝できたので自分的には「仕方ない」と納得
この様に、2F、屋根、外壁、庭、外装と作っていき、3年経って「施工完了」
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さて、この様な方法で作られた住宅に住むことができるでしょうか?
習得するまで進まない
この「施工の課題」を解決する方法は、チェック(テスト)を増やすことでも、残業(宿題)を増やすことでもありません。
単純に「100点(習得する)まで、次に進まない」ことです。
皆さんが住宅の施主であれば
「そんなの当たり前でしょ、99点でも次に行ったらダメでしょ」
と思うはずですが、残念ながら学校の勉強では70点でも、99点でも、時間がくれば次に進みます。
そうではなく「習得を基準にする」のという考え方で進めていくのが「完全習得学習法」です。
人によっては、もしかしたら習得に「5年」かかるかもしれません。
しかしその子は胸を張って「中学の数学は理解している」と言えます。
また、人によっては中学3年分を「6ヶ月」で終えるかもしれません。
その子は周りを気にすることなくどんどん進んで、可能性をさらに広げてほしいと思います。
考え方研究室.ブリッジでは「完全習得学習法を利用した学習ツールの開発と提供」に挑戦中で、まもなくそのプラットフォームを公開予定です。