理念を基準に考える
20代後半に、福岡のとある社長の元(代理店)でセールスマンとして働き、様々なことを学ばせていただきました。
こちらで勝手に「師匠」と思っていますが、その当時
「我々は師匠と弟子の関係ではない。同じ志を持つ同志であり、呼ぶならボスと呼んでくれ。」
と言われたことを今でも覚えています。
ある時、営業方法や施策についてアドバイスを求めて相談したことがあるのですが、ボスからはこんな返事が返ってきました。
「その相談の答えは、会社の理念に照らし合わせて、自分で結論を出しなさい」
この言葉を聞いた自分は、ボスなりの考え方(アドバイス)を聞きたくて食い下がったのですが、次のことを教えてもらいました。
- 多くの会社企業は、経営理念に沿って動いている
- ところが、それを忠実に実行している割合はとても少ない。
- なぜならその理念に、社長の主観が入り、部長の経験則が入り、課長の成功体験が入り、係長の思い込みが入る。
- そして末端に行けば行くほど、理念は薄れ、我流や個人的な価値観で判断してしまう。
- これが多くの企業や会社が繁栄できない大きな理由である。
- なので、基準にすべきは「明確に文章化された理念・行動指針」でなければならない。
この師匠とのやりとりは、自分の人生経験で、ベスト5に入る出来事だったと今でも思っています。
普通であれば、相談された時に
「それはこうだよ、こうしたらいいじゃないか」
とアドバイスが返ってくるかと思います。
そうではなく
「自分の意見は自分の主観が入るので、まずは会社の理念に目を向けなさい。」
という返答。そしてこのことから
「いかに文章化された理念や志、ビジョンや行動指針が大切か」
について学ぶことができました。